ロアッソウェルネスプログラムとは、熊本を代表するJリーグチーム「ロアッソ熊本」と、運動指導のプロ集団「J.H.Wellness」が連携して開発したヘルスケア SIB※プログラムです。
少子超高齢者会において、より若い年代から運動習慣を構築・継続する方が増えることで、将来の医療費・介護関連費用を削減する、「健康づくり」の社会課題解決のための取組みです。
このページでは、2023–2025年度の3カ年の実績を見ることができます。
※ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)とは、民間資金を活用して社会課題解決型の事業を実施し、その成果に応じて地方公共団体が対価を支払うスキームのことです
本事業は3カ年にわたり、対象者を概ね65歳以上(2023年)、概ね50歳以上(2024年)、概ね40歳以上(2025年)へと段階的に拡大して実施しました。3年間を通して参加者数は毎年目標の450人を上回り、対象年齢を広げた後も、参加率は平均82.7%と高い水準を維持しました。
男⼥⽐|65歳以上だけのグラフ。3カ年の男性参加率は平均27%
この事業は一般的な介護予防事業※の20.2%に⽐べ、男性参加者が6.8%多い。
30.9
69.1
27.3
72.7
23.0
77.0
年齢構成⽐|2023年は50歳以上の参加者のみ。この事業は前期⾼齢者(65~74歳まで)が75%と、一般的な介護予防事業※の25.8%に⽐べ49.2%多い。
74.0
26.0
72.4
27.6
79.6
20.4
※一般的な介護予防事業とは、厚⽣労働省⽼健局⽼⼈保健課 介護予防・⽇常⽣活⽀援総合事業等(地域⽀援事業)の実施状況(令和5年度実施分)に関する調査結果(概要)による
初回測定会と最終測定会を共に受けたプログラム参加者の、初回測定値と最終測定値を比較しました。3カ年分の成果指標集計結果です。
握力
・最大筋力を知るためのテスト
・主に上肢の筋力を評価する。
肩の力を抜いて肘を下げ、手首をまっすぐに伸ばし、息を止めないようにじわじわと力を入れる。測定は左右2回ずつ行い、左右それぞれの握力の高い値を記録値とする
サルコペニア基準値
・男性:28㎏未満
・女性:18㎏未満

27.7kg
0.4kgの向上
28.1kg

歩行能力を調べるテスト
普段通りの速さで5m歩く時間を計測する。
・横断歩道を渡りきれない:5秒以上(1.0m/秒)
・転倒リスクが高くなる:6.2秒以上(0.806m/秒)

3.5秒
0.1秒の短縮
3.4秒

歩行能力を調べるテスト
速歩きで5m歩く時間を計測する。
・横断歩道を渡りきれない:5秒以上(1.0m/秒)
・転倒リスクが高くなる:6.2秒以上(0.806m/秒)

2.7秒
0.1秒の短縮
2.7秒

※ 少数点第2位四捨五入、実際は2.74→2.65で0.09秒短縮
TUG(Timed Up & Go)
歩行能力やバランス、敏捷性などを総合的に判断するテスト
椅子に座った状態から合図で立ち上がり、3メートル先の目印を回って戻り、再び椅子に座るまでの時間を計測する。
・運動器不安定症:11秒以上
・転倒リスクが高くなる:13.5秒以上
・日常生活に介助が必要:30秒以上

6.7秒
0.1秒の短縮
6.6秒

開眼片足立ち
足の筋力やバランス機能を調べるテスト
片足立ちの持続時間を継続する。
日本整形外科学会で「運動器不安症状」を診断する機能評価基準としても用いられている。
「運動器不安定症」とは
例えば「歩行時にふらついて転倒しやすい、関節に痛みがあって思わずよろける、骨に脆弱性があって軽微な外傷で骨折してしまう」などの病態を疾患としてとらえ、それに対する運動療法などの治療を行うことによって重篤な運動器障害を防ぐことを目的にこの病態を認識していただくために命名された疾患概念。
リハビリで活用される基準値:15秒未満

65.2秒
3.8秒の向上
69.0秒

プログラムの参加者に対し基本チェックリスト※の運動項⽬において初回調査時と最終調査時の点数の変化を⽐較しました。
5項目の運動機能に関する質問項目のうち、3項目以上該当する者が介護予防事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の事業対象者の要件となっており、3項目以上の該当者(事業対象者)が2項目以下(非対象者)になることで介護予防事業としての効果が判断できます。
※基本チェックリストとは、平成18(2006)年度の地域支援事業の開始に伴い、要介護状態等と なるおそれの高い虚弱な状態にあると認められる65歳以上の方を把握する事業のために、厚生労働省より提示された調査票です。
2つ以下の項目にチェックを入れた方
947名中、変化なし(維持)
905名
維持率95.6%
3つ以上の項目にチェックを入れた方
65名中、2つ以下に改善
41名
改善率63.1%
プログラム開始前アンケートをもとに、週2回・1回30分以上の運動を行っている参加者を「開始前運動習慣あり」、週1回・1回30分程度の運動、またはほとんど運動していない参加者を「開始前運動習慣なし」と分類しました。本指標では、「開始前運動習慣なし」の参加者を対象に、プログラム終了後に週2回・1回30分以上の運動習慣を獲得した改善率を示しています。
プログラム修了後にプログラム参加者の参加率を把握し、健康志向の低い市民への訴求効果や、運動習慣の継続について本事業の実施がどのような効果を発揮したかを確認しました。
本事業では、運動機能の変化や活動継続の状況を把握し、「健康寿命の延伸」や「医療費・介護給付費の抑制」につながる行動変容を検証するため、前年度参加者を対象に事業後アンケートを実施しています。アンケートでは、60%が参加翌年にも運動習慣があると回答しました。さらに、そのうち34.8%が「プログラム参加をきっかけに運動習慣がついた」と回答しており、本事業が運動の定着に寄与した可能性がうかがえます。なお、国民健康・栄養調査では、運動習慣がない人のうち「改善に取り組んでいる(6か月以上)」人は11.6%であり、直接比較はできないものの、本事業参加者の継続状況は高い水準にあると考えられます。
地域のシンボルであるプロスポーツチーム「ロアッソ熊本」がどのように参加者の心に影響を与えたか、また本プログラムの評価も参加者にアンケート調査を実施しました。調査結果では本プログラムにおける運動継続意欲、人に薦めたくなる気持ちや、幸せ(満足)を感じる気持ちが高い結果となりました。
アンケートフォームのサンプルはこちら
Q1. あなたは自分のことをロアッソ熊本のファンだと思う。
13.7
5.4
14.7
22.1
15.4
15.5
13.3
単位[%]
Q2. あなたはロアッソ熊本のファンたちの一員であることを嬉しく思う。
15.9
6.4
13.7
20.9
16.5
12.6
13.9
単位[%]
Q3. あなたはロアッソ熊本のファンたちと仲間であると感じる。
10.7
5.1
13.0
19.0
17.9
16.3
18.0
単位[%]
Q4. ロアッソ熊本のファンであることは、あなたにとってとても重要である。
10.5
3.6
11.7
20.4
17.5
17.6
18.7
単位[%]
Q5. 当プログラムが終わっても継続して活動し続けたいと思いますか?
37.1
12.2
13.6
12.0
10.0
7.2
8.0
単位[%]
Q6. あなたは、ロアッソ熊本の試合などに来場したいと思いますか?
13.5
6.4
13.4
18.9
15.2
15.0
17.6
単位[%]
Q7. 当プログラムを友人などに口コミでおすすめしたいですか?
44.9
16.4
15.9
10.4
3.8
2.7
5.9
単位[%]
Q8. このプログラムに参加して幸せを感じましたか?
48.4
18.5
13.3
9.2
3.0
2.4
5.3
単位[%]
Q9. このプログラムに満足しましたか?
52.6
20.0
11.2
6.6
2.7
2.0
4.9
単位[%]
過去2年間と同一の基準に基づき、熊本市における本事業の経済効果を3か年で試算しています。内訳は医療費79,967,412円、介護給付費30,031,971円で、
合計109,999,383円です。
プログラムへの参加者数
1460 名
削減できる医療費
¥79,967,412
削減できる介護給付金
¥30,031,971
合計削減額
¥109,999,383
本プログラムはSIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)の手法で行うことで、地域における健康づくりを維持的なものとする仕組みづくりを目指している点や、地域のサッカークラブとの連携など新しい手法への挑戦が評価できる点。介護・医療との連携ができており高齢化社会のスポーツのあり方を示している点。効果検証を踏まえてさらに取り組みを推進していこうという姿勢が高く評価されました。
授賞式は2024年7月16日に開催されたSPORTEC2024会場内で行われました。
受賞後、2024年7月31日に大西熊本市長への表敬訪問によるご報告を行いました。




※スポーツ復興賞とは、スポーツや障がい者スポーツを通じて健康づくりし、ツーリズムや産業振興、地域振興(まちづくり)に貢献している団体・グループ・企業の活動を顕彰するものです。
ロアッソウェルネスプログラムは、運動機能向上、健康づくりの意識醸成、運動習慣形成、仲間づくりを目的とした新しい健康プログラムであり、社会課題を解決するための新たな官民連携の仕組みである成果連動型民間委託契約方式( PFS )のうちソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)の手法を活用しています。
この社会課題へのインパクトをここで簡単に試算してみましょう。調べたい地域を選択し、参加者数を入力すると、ロアッソウェルネスプログラムを行った場合の「医療費」や「介護給付費」の削減額が自動計算される仕組みです。
プログラムへの参加者数
名
削減できる医療費?
削減できる医療費
現時点では、「元気クラブいなべ」を中心として運用する元気づくりシステムの結果について2008年度にいなべ市が実施した医療費調査による数値を引用している。
国保加入の自宅生活者 1人当たりの年間医療費
元気づくりシステム非参加者
(分析人数4,956人)
¥291,518
元気づくりシステム参加者
(分析人数588人)
¥213,272
削減額¥78,246
参考:
平成26年度スポーツ政策調査研究
(スポーツの経済効果に関する調査研究)
調査報告書
平成26年度スポーツ政策調査研究
(スポーツの経済効果に関する調査研究) 調査報告書第4章 スポーツや身体運動の促進による医療費削減効果より引用
こちらのリンク より、公開されている数値を引用
¥26,290,656
削減できる介護給付金?
プログラム参加者のうち、基本チェックリスト3項目以上該当率が23%とし、その70%が2項目以下に改善したとする場合、2021年3月期(年間)の各市町村における要介護Ⅰの介護給付費※と割合を乗じたものが将来的な要介護1の介護給付費減少額ととらえて計算した。
※介護保険事業状況報告 / 令和3年度介護保険事業状況報告(年報)より引用
<都道府県別>
要介護(要支援)認定者数 男女計 - 総数 -
<保険者別>
保険給付支払額
¥9,873,525
合計削減額一定の仮説のもと、影響額を試算したものです
¥36,164,181
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