ロアッソウェルネスプログラムは、熊本を代表するプロサッカーチームであるロアッソ熊本と、運動指導のプロであるJ.HWellnessが連携して開発した、気分も体力もアップする新健康プログラムで、グループ指導ではありながら、個別の問題にも専門の運動指導者が対応し、参加者一人ひとりの状況に合わせて運動習慣を構築しています。
令和5(2023)年度は65歳以上を対象とし、熊本市においてヘルスケアSIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)※ 事業としてロアッソウェルネスプログラムが導入されており、このウェブページにおいて、プログラム前後の運動機能評価の比較や各種アンケートの結果を表示します。
またこのウェブページでは、熊本県内のさまざまな市町村でロアッソウェルネスプログラムを行った場合、どれくらい「医療費」や「介護給付費」が減らせるかを簡単に試算できます。
※ソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)とは、民間資金を活用して社会課題解決型の事業を実施し、その成果に応じて地方公共団体が対価を支払うスキームのことです
対象者
65〜83歳
/ 74歳以下:75% 75歳以上:25%
493名
/ 男性:142名 女性:351名
プログラム
3ヶ月間で全12回。第1回と第12回(最終日)に体力測定を行いました。
今まで「運動に興味がなかった」「運動習慣がなかった」層への健康増進効果をもたらすことが期待できるプログラムです。熊本市において地域の通いの場に参加している市民の年齢、性別と比較するとこのような違いがあります。
74歳以下の参加者
プログラム:75% 通いの場:29%
74歳以下の参加者が通いの場よりも46%多い
男性参加者
プログラム:29% 通いの場:20%
男性参加者が通いの場よりも9%多い
初回測定会と最終測定会を共に受けたプログラム参加者の、初回測定値と最終測定値を比較しました。
歩行能力を調べるテスト
普段通りの速さで5m歩く時間を計測する。
・横断歩道を渡りきれない:5秒以上(1.0m/秒)
・転倒リスクが高くなる:6.2秒以上(0.806m/秒)
3.5秒
0.1秒の短縮
3.4秒
歩行能力を調べるテスト
速歩きで5m歩く時間を計測する。
・横断歩道を渡りきれない:5秒以上(1.0m/秒)
・転倒リスクが高くなる:6.2秒以上(0.806m/秒)
2.7秒
0.1秒の短縮
2.6秒
TUG(Timed Up & Go)
歩行能力やバランス、敏捷性などを総合的に判断するテスト
椅子に座った状態から合図で立ち上がり、3メートル先の目印を回って戻り、再び椅子に座るまでの時間を計測する。
・運動器不安定症:11秒以上
・転倒リスクが高くなる:13.5秒以上
・日常生活に介助が必要:30秒以上
5.8秒
0.3秒の短縮
5.5秒
開眼片足立ち
足の筋力やバランス機能を調べるテスト
片足立ちの持続時間を継続する。
日本整形外科学会で「運動器不安症状」を診断する機能評価基準としても用いられている。
「運動器不安定症」とは
例えば「歩行時にふらついて転倒しやすい、関節に痛みがあって思わずよろける、骨に脆弱性があって軽微な外傷で骨折してしまう」などの病態を疾患としてとらえ、それに対する運動療法などの治療を行うことによって重篤な運動器障害を防ぐことを目的にこの病態を認識していただくために命名された疾患概念。
リハビリで活用される基準値:15秒未満
53.1秒
21.7秒の向上
74.8秒
ロコモ25
運動機能の状態を早期に発見するための、自記式の質問票
・ロコモ度1:7点以上16点未満
・ロコモ度2:16点以上24点未満
・ロコモ度3:24点以上
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)=日本整形外科学会により提唱。
要支援・要介護となるリスクが高い状態。
ロコモ度は「立ち上がりテスト」「2ステップテスト」「ロコモ25」の3つのロコモ度テストの結果をもとに判定される。このプログラムではロコモ25のみ調査した
7.4点
1.9点の改善
5.5点
プログラムの参加者に対し基本チェックリスト※の運動項目において初回調査時と最終調査時の点数の変化を比較しました。
初回調査時から運動機能に問題のない(項目に該当がない)方が83名おり、調査の性質上その方々の運動機能の改善は、本調査では「変化なし」という結果となるため、全体的に維持、改善できていると考えられます。
※基本チェックリストとは、平成18(2006)年度の地域支援事業の開始に伴い、要介護状態等と なるおそれの高い虚弱な状態にあると認められる65歳以上の方を把握する事業のために、厚生労働省より提示された調査票です。
改善
33名
維持
15名
悪化
30名
地域のシンボルであるプロスポーツチーム「ロアッソ熊本」がどのように参加者の心に影響を与えたか、また本プログラムの評価も参加者にアンケート調査を実施しました。調査結果では本プログラムにおける運動継続意欲、人に薦めたくなる気持ちや、幸せ(満足)を感じる気持ちが高い結果となりました。
アンケートフォームのサンプルはこちら
Q1. あなたは自分のことをロアッソ熊本のファンだと思う。
10.6
5.8
18.9
22.2
17.2
10.9
14.4
単位[%]
Q2. あなたはロアッソ熊本のファンたちの一員であることを嬉しく思う。
11.4
5.6
17.7
22.2
18.4
9.1
16.8
単位[%]
Q3. あなたはロアッソ熊本のファンたちと仲間であると感じる。
9.3
3.8
15.2
22.7
19.7
12.4
16.9
単位[%]
Q4. ロアッソ熊本のファンであることは、あなたにとってとても重要である。
7.8
3.3
14.1
24.5
20.2
13.6
16.4
単位[%]
Q5. 当プログラムが終わっても継続して活動し続けたいと思いますか?
31.1
14.7
12.9
10.9
11.1
6.6
12.9
単位[%]
Q6. あなたは、ロアッソ熊本の試合などに来場したいと思いますか?
9.4
9.1
15.2
20.3
17.0
13.2
16.0
単位[%]
Q7. 当プログラムを友人などに口コミでおすすめしたいですか?
31.6
17.2
18.9
10.9
3.3
3.8
14.4
単位[%]
Q8. このプログラムに参加して幸せを感じましたか?
38.1
18.9
14.1
8.8
3.0
3.8
13.1
単位[%]
Q9. このプログラムに満足しましたか?
37.9
21.2
12.1
8.6
3.0
3.5
13.6
単位[%]
ロアッソウェルネスプログラムは、運動機能向上、健康づくりの意識醸成、運動習慣形成、仲間づくりを目的とした新しい健康プログラムであり、社会課題を解決するための新たな官民連携の仕組みである成果連動型民間委託契約方式( PFS )のうちソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)の手法を活用しています。
この社会課題へのインパクトをここで簡単に試算してみましょう。調べたい地域を選択し、参加者数を入力すると、ロアッソウェルネスプログラムを行った場合の「医療費」や「介護給付費」の削減額が自動計算される仕組みです。
プログラムへの参加者数
名
削減できる医療費?
削減できる医療費
現時点では、「元気クラブいなべ」を中心として運用する元気づくりシステムの結果について2008年度にいなべ市が実施した医療費調査による数値を引用している。
国保加入の自宅生活者 1人当たりの年間医療費
元気づくりシステム非参加者
(分析人数4,956人)
¥291,518
元気づくりシステム参加者
(分析人数588人)
¥213,272
削減額¥78,246
参考:
平成26年度スポーツ政策調査研究
(スポーツの経済効果に関する調査研究)
調査報告書
平成26年度スポーツ政策調査研究
(スポーツの経済効果に関する調査研究) 調査報告書第4章 スポーツや身体運動の促進による医療費削減効果より引用
こちらのリンク より、公開されている数値を引用
¥26,290,656
削減できる介護給付金?
プログラム参加者のうち、基本チェックリスト3項目以上該当率が23%とし、その70%が2項目以下に改善したとする場合、2021年3月期(年間)の各市町村における要介護Ⅰの介護給付費※と割合を乗じたものが将来的な要介護1の介護給付費減少額ととらえて計算した。
※介護保険事業状況報告 / 令和3年度介護保険事業状況報告(年報)より引用
<都道府県別>
要介護(要支援)認定者数 男女計 - 総数 -
<保険者別>
保険給付支払額
¥9,873,525
合計削減額一定の仮説のもと、影響額を試算したものです
¥36,164,181
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